礼文島を歩こう!トレッキングコース紹介>8時間コース

コースの概要

8時間コースの概略図浜中バス停から西上泊(澄海岬)までは、岬めぐりコースの終盤と同じ道です(舗装路)。西上泊からは少し内陸に入って(高度を上げて)、木々に囲まれる区間を南下し、通称「砂すべり」と呼ばれる急な下り坂で海岸に出た後、大きなゴツゴツした岩が並ぶルート(もはや道とはいえない場所)を通って宇遠内に達した後、内陸へ入って小さな峠を越え(この前後の上り下りも急勾配)、礼文林道に出ます。そこから2kmほど歩くと、香深井のバス停に出られます。

※2013年までは島の最北端にあるスコトン岬がスタート地点とされていましたが、2014年から浜中起点に変更されました。

愛とロマンも今は昔

8時間コースは、かつては「愛とロマンの8時間コース」と呼ばれ、若者の北海道旅行の定番でした。スコトン岬へ向かう始発のバスは、朝6時台にもかかわらず大混雑しており、大勢がスコトン岬から地蔵岩を目指して歩いていました。

「愛とロマン」の名称は、ユースホステルで泊まり合わせた見知らぬ若者たちが朝から夕方まで行動を共に、危険な箇所を歩くときは助け合ううちに、男女間に愛が芽生える(こともある)…という由来から名付けられたものです。

現在は、「愛とロマンの」は付けずに、単なる「8時間コース」と呼ばれるのが一般的となり、8時間コースを通しで歩く人の数は激減しました。その理由はさまざまありますが、このサイトの制作者の個人的感覚では、1997年に宇遠内以南のルートが変更され、落石の危険がある海岸沿いの宇遠内~地蔵岩(元地)間が通行禁止になったことが大きいと感じています。

8時間コースのうち、宇遠内から地蔵岩までの海沿いのルートでは両手両足を使わないと前へ進めないような岩場が連続し、ちょっとした冒険気分が味わえました。宇遠内から先は、気を抜くと事故につながりかねないような区間であり、足を滑らせれば海の中に落ちてしまうような場所もたくさんありました。ゆえに、波が高いときは宇遠内の売店でストップをかけられました(その際のエスケープルートが現在の正式ルート=礼文林道への山越えの道=です)。

さらに、ゴールが地蔵岩であったことには、8時間コースを歩ききった!という達成感がありました。いいかげんくたびれてもう歩きたくないと思っているときに、目の前に2本の岩が見えると、とても嬉しかったものです(こちらのサイトに当時のゴールの様子があります)。

通行禁止区間この写真は1987年の8時間コース(宇遠内~元地間の岩場)。現在は通行禁止です。

これよりもさらにきついところもあり、そういうところではこんなふうに写真を撮っている余裕はありません(体力的にも、精神的にも、時間的にも<のんびりしていると明るいうちにゴールできなくなるので)。