礼文島を歩こう!ぶらぶら連泊の日々>ひるめしのはなし(1)

双葉食堂

無目的に島に滞在していると、「昼食に何を食べるか」が一日のうちで最大の(場合によると唯一の)関心事になってきます(朝食と夕食は宿で食べるから考える必要がない)。その日の行動を決めるのは、天気でも花でもなく、昼食の場所だったりすることすらあります。

船泊商店街にある双葉食堂は、民宿海憧から歩いて5分ほど。店内には「宗谷新聞社主催・第2回うまいもの店人気投票優勝 ラーメン」という賞状が掲げられていますが、この人気投票の実施は昭和36年。50年以上も前の優勝なんて有効期限切れだろっ!と突っ込みたくなるところですが、これは双葉食堂が50年以上にわたって愛されていることの証明でもあります。

店内は、手前にカウンターとテーブル席、奥には小上がりがあって、席数は多いのですが、お昼どきにはそれでも入りきれないことがあります。うまい具合に入れても、注文したものがなかなか出てこないことはよくあります(地域の大人気店ゆえに、出前の注文も多いからです)。早めに入ればさほど待たされることはありませんが、筆者には、8月旧盆(地元の人たちが帰省してきていて出前が多い時期)の13時過ぎに入って注文したものが出てきたのが15時前だった(笑)、という苦い経験もあります。

肝心のお味のほうは、これだけの人気店なのですから、間違いありません。自慢のラーメンは塩が基本です(「ラーメン」を頼むと塩ラーメンが出てきます)が、味噌ラーメンのファンも多いです。カツがスプーンで切れるカツカレー、同じくカツメニューのカツ丼といったところが筆者のお気に入りですが、チャーハンも人気があるようです。

要するに、なんでも揃っている、町の食堂です。

ただし、町の食堂なので、ウニ丼、ホッケのちゃんちゃん焼きのような、観光客向けのメニューはありません。筆者は、以前に、観光客らしき女性グループが店に入ってきた後、メニューを眺めてから「すみません、食べたいものがないので…」と店を出て行ったのを見たことがあります。